現役エージェントが教える転職の極意

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面接における「希望年収」の伝え方

こんにちは、タケです。

今回は、転職の面接における「希望年収の伝え方」について

企業、エージェントの頭の中も含めて、そのノウハウをお伝えします。

 

年収関連エントリー

年収については以下のエントリーでも書かせていただきましたが

多くの方にとって転職先を決める重要な要素の一つです。

まだ読まれていない方は以下のエントリーも読んでみてください。

 

誰も教えてくれない転職における年収(お金)の話 - 現役エージェントが教える転職の極意

 

転職で年収アップ / ダウンの別れ道 - 現役エージェントが教える転職の極意

 

日本人は<お金>をデリケートであまり触れるべきではないものと捉える傾向が強く、あまりに強気に、あるいは正直に伝えてしまうのはどうだろうと相手の顔色を伺ってしまう人種だと思います。でも、希望以下の金額では困るし・・となかなか悩ましい話題です。実際に転職の面接の場において、希望年収はどうのように伝えれば良いのでしょうか。

 

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面接における「希望年収」の伝え方

いきなり結論からいきますが、僕がお勧めする希望年収の伝え方は、「希望年収は〜〜という理由から●●万円です。ただ、御社の規定に従います」という表現です。〜〜や●●の詳細はあなたの状況、気持ち次第ですが、この伝え方が鉄板です。そのための準備や考え方について書いていきたいと思います。

 

まずは自分の現在年収を正確に理解する

現在年収と希望年収はセットで確認されることが多いです。自分の現在年収を正確に理解していた方が希望年収を伝えるにも納得感が増しますので以下の年収詳細を理解しておきましょう。

 

  1. 総年収
  2. 年収内訳
  3. その他の手当て

 

総年収

現在年収(総年収)とは、昨年の源泉徴収票の金額を指すことが多いですので、まずは源泉徴収票を確認してその数字を正確に理解しておくことが大切です。年収は手取りの金額ではなく、額面の金額のことになります。

 

年収内訳

年収には年俸制、月給制といった制度がありますが、基本給、賞与、インセンティブ、残業代など、年収には内訳というものがありますので、それも理解しておく必要があります。

 

その他の手当て

在籍企業独自の制度や補助があるケースもあります。一般的なものでは社員寮、住宅手当、食事手当てや、子供の保育園費用を援助してくれる制度、朝昼晩の食事を全て会社が準備しているような企業もあります。年収に含まれていない手当てがあれば、それらを金額に換算するといくら程度になるのかを理解してきましょう。

 

転職エージェントに相談に来られる方でも、自身の正確な年収を理解していない方が多いですので事前に確認をしておきましょう。そもそも正確な現在年収を知らないと、転職における希望年収の作戦は立てられません。希望を伝えるにしても基本給でいくら欲しいのか、賞与やインセンティブを含めた総年収でいくら欲しいのかなど確認されることがあります。ご自身の現状を知らないと答えられないですし、賞与やインセンティブは変動する可能性がありますので細かい試算が必要です。その他手当ても、あなたの生活における支出を減らしているという観点では考慮しておくべき項目にはなります。

 

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MUSTとWANTを切り分ける

希望年収を伝える際に、MUST(絶対に譲れない金額)とWANT(出来れば欲しい金額)を整理しておくことが必要です。これらは、上記に記載したように「総年収」「基本給」「月額給与」など、明確に決めておく方が良いでしょう。企業人事や転職エージェントもあなたの言っている希望年収が「MUST」なのか「WANT」なのかを気にしています。例えば「年収800万円希望」という方でも、700万円でも良いけど800万円もらえたら嬉しい!という方もいれば、本当は900万円欲しいけど最低800万円は必要!という方もいます。また、「基本給400万円、100%達成でインセンティブ400万円、月額給与は33.3万円」というケースもあれば「基本給800万円、賞与やインセンティブなし、月額給与は66.6万円」というケースもあります。極端な例ですが、ここまでになると同じ年収800万円でも全く内容が違いますよね。家のローンや家族状況によっては月額給与にこだわりを持つ方もいます。何がMUSTで、何がWANTなのか、自分の中でしっかりと整理しておく必要があります。


 

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その根拠について考える

一般的に、現在年収600万円の人が600万円以上を希望する、現在年収800万円の人が800万円以上を希望する、というのはごく普通のことです。それは今の生活水準の担保という分かりやすい根拠があるためです。

ただし、現在年収600万円の人が800万円を希望する、現在年収800万円の人が1000万円を希望する、という方に遭遇します。この場合は、企業人事も転職エージェントも「その根拠は何でしょうか?」と思うわけです。「とにかく年収あげたいから・・・」というのではあまりに稚拙で企業人事を納得させることは出来ませんので、その根拠を考えていきましょう。

 

希望年収における2つの根拠

2つの根拠とは、あなたが年収を上げたい根拠と、企業があなたの年収を上げる根拠です。

 

年収を上げたい根拠には以下のような項目があります。

  • これから結婚を控えていてお金が必要
  • 家族事情(両親の介護、奥さんの妊娠、子供の進学など)によってお金が必要
  • 将来のために貯金できる余裕が欲しい
  • より高い水準の生活、裕福な生活を送りたいと思っている....等

 

年収を上げる根拠には以下のような項目があります。

  • スキル、経験、能力がマーケットバリューとして価値がある
  • 採用ポジションの求めているスキル、経験、能力に非常に合致している
  • 企業の課題に対して解決できるスキル、経験、能力を有している
  • 福利厚生など考慮すれば年収●●万円の生活水準になっている....等   

 

後者の方がより重要なのですが、面接のパフォーマンスにおいて「企業があなたに現在年収よりも高い年収を提示する理由」を明示できるかどうかが鍵になるのです。それは直接的に伝えるのではなく、面接という会話の中であなたのスキル、経験、能力などをうまくアピールすることによって伝わるようにしましょう。

 

「御社の規定に従います」という言葉

上記の観点から根拠を明確にして希望年収だけを強気に伝えてもいいのですが、転職活動、中途採用面接において「スキル、経験、能力は良いけど、希望年収が高すぎるのでお見送り(不合格)」という自体が稀に発生します。MUST条件の金額を伝えて、絶対にその金額が出ないのでNGであれば双方納得がいきますが、それがWANT条件であれば最悪です。行きたかった企業に対して希望年収の伝え方を間違ったため不合格にされてしまうのです。そうならないためには、最後に「御社の規定に従います」と付け加えておきましょう。最終的に内定を取って年収提示があった上で承諾・辞退の選択や年収交渉・相談も可能ですので、希望年収の伝え方が要因で不合格になるリスクは避けた方が良いでしょう。

 

まとめ

面接における希望年収の伝え方のポイントを書いてみましたが、いかがでしょうか?面接は面接官とあなたのライブですので、「年収面について何をどう聞かれるか?」はケースバイケースですが、大切なことを改めて以下にまとめます。

 

  • 自分の現在年収を正確に知る
  • 年収条件のMUST / WANTを整理する
  • その根拠を明確にし、面接でしっかり伝える
  • 希望年収が理由でお見送りにならないよう気をつける

 

あなたの転職活動、キャリアがより良いものになることを願ってます!